燃料についてあれこれ
石灰を焼こうとして、いろいろ試しているうちに、七輪に陶製植木鉢で蓋をすると、わりと高火力の窯として代用できることが分かり、その他諸々の実験にも使えそうな予感がしているのだけど、燃料によって実験の成果がだいぶ異なってくる。幾種類かの燃料を試したけれど、まず、火力が高いと言われるコークスであるが、ふつうの七輪の使い方(鉢で蓋をしない)では、さっぱり役に立たなかった。燃えないのである。鉢で塞いで窯、というか炉のような状態にすると、それなりに火力を発揮しはじめる。だが、七輪では狭くて物足りない感じである。実際、石灰を焼くような工業的な用途ではコークスが現役で使われているようだが、七輪で無理に使わなくてもいいような気がする。どっさり買ってしまったので、私はどうにかして使い切らないといけないが。コークスは初めて使ったけど、最初全く火が付かなくてどうしたものかと思ったが、さらに普通に燃えているものの中に入れても燃え残るので、不良品でも買ったのかと心配になった。しかし、ようするにストーブとか、炉のような状態で火力を発揮するものらしい。

七輪の窯では、今のところオーソドックスに木炭を使うのが一番ではないかという気がしている。ナラなどを使ったやや高級な炭は、火がたいへん長持ちして、暖房用にはよいのだが、火力の必要な実験をしていると、ちょっと落ち着きすぎていて物足りない。昔のヨーロッパの産業ではオーク材の火力が重要だったということを読んだことはあったが、時間軸も含めた総合的なカロリーは高かったかもしれないけど、瞬間的な炎の強さは、針葉樹の方がよさそうである。

「現代農業 2011年 12月号」は薪の特集だったので、薪関連の記事に一通り目を通した。薪の場合、ナラなど広葉樹の薪は火が長持ちするので、暖房用に人気があるが、それと比べると針葉樹は短時間で燃え終わってしまうので、薪ストーブ用には不人気だとか。ただし、短時間で燃えるということは、それだけ火の勢いが強いわけで、すぐに暖まりたい場合は、松材の方がいいこともあるとも書かれてあった。石灰を焼く際に、できれば火力の強い炭を使いたいと思って、価格のちょっと高めの木炭、ナラ材の炭を買ってみたが、燃やしてみると、赤くなってじわっと熱を発し、見ていても高級感溢れるけど、七輪の窯にはあまり向いていないかもしれない。バーベキュー用などに売られている最も安い価格帯の炭は、ラワン材になどにも使われる南洋材が原料の炭である模様だが、この炭は、すぐに燃え尽きてしまうのだが、その分、火力が強そうである。じわっというのではなくて、火がメラメラと燃え上がりつつ、どんどん燃焼し尽くして灰になってゆく。これと七輪の窯の組み合わせはなかなか良いと思う。着火も非常に楽で、ナラ炭はなかなか火が付かないけど、南洋炭はちょっとした火種があれば、簡単に着火できる。このような安物木炭はどんどん燃えてしまうので、予想よりずっと多くの炭を用意しておかないと足りなくなる。安い炭をどんどん追加していきながら、通風口から空気を送り込んで燃やし続けると、うまく石灰が焼けるのではないか、などと思案中。

なお、七輪でよく使われる燃料に豆炭というのがあって、これは火がものすごく長持ちするから、暖房用には最適かもしれないが、しかし、その分火力が控えめなので、火力の必要な実験では、邪魔になるだけのように感じた。七輪って、狭いですからね。


| 絵画材料 | 05:55 AM | comments (0) | trackback (0) |










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