2011,12,19, Monday
農文協の『そだててあそぼう16 ヒマワリの絵本』に、ヒマワリの種を搾って油を取る方法が紹介されている。搾油器を使うというのではなくて、磨り潰したヒマワリの種を、綿布に包んで、手で搾ったり、麺棒で圧したりして搾油するという方法だけれど、ヒマワリのタネくらいの大きさなら、このように搾油できるということかしら。
いろいろ資料を探すために月2回ほど図書館に行っているけど、最近は、ほとんど子供図書館の資料を漁っている。長大な専門書を読む時間がないというのもあるのだけど、最近の子供向け図書は、子供だましというようなことは全然なくて、少ない字数、ページ数の中に、非常に濃密な情報が詰め込まれており、ときどき専門書にも書かれてないようなことが、実に簡単な言葉でずばりと書かれていたりしている。でもまぁ、言い換えれば、子供向けの本じゃないような気がしないでもないけど、いずれにせよ1冊1時間もかからずに読めて、得られる知識が多いので、広くお勧めしたいところです。 で、ヒマワリの種から油を絞ってみようと思い立ったわけだけれども、今年はヒマワリの近くにタデアイを植えたら、タデアイの繁栄は凄まじく、土の養分が全部タデアイに持っていかれたようで、ヒマワリは萎れてしまった。ということで、ネットで種を注文。 生の種よりも、炒った種の方が搾油しやすいという話を、なんどか読んでいるのだが、とりあえずは生の種を買っておいた。殻は既に剥かれてあり、塩などの味はついていない。 すり鉢で潰す。 布にくるんで搾る。 布は、晒しの木綿とあったが、晒しでなく、生成だと、布にちょっと色素があって、油に色が付いてしまうからかもしれない。 今回は、ガーゼを二重にして使用した。 素手で搾っても油が出てくる気配がなかったので、万力に挟んでみた。 布に油が染みて、さらに下の方には、ちょっと油が垂れはじめたが、ガーゼを使ったせいか、途中で破れてしまったので、中断。 次回は、もうちょっと丈夫そうな布を用意して、さらにちょっとタネを炒ってから試してみたい。 さて、種子からの搾油方法は「圧搾法」と「抽出法」があり、先に行なったのは、圧搾法であるけど、種子から搾れる油の量は限られており、それよりも溶剤を使った抽出法の方が、より多く油を抜き出せるのである。商業用途では抽出法が主流、あるいは圧搾法のあとに、さらに抽出法で油を取り出す。『ヒマワリの絵本』の凄いところは、溶剤を使った抽出法まで書かれているところである。含油率をはかる際に実験室で行なう方法として以下のように紹介されている。 --引用開始-- (1)ヒマワリの種5グラムを、コーヒーミルなどで粉砕する。 (2)それを50グラムのエーテル液に入れ、40分そのまま置く (3)その溶液をこして、油をとる装置に入れ、温度を加えてエーテルを揮発、回収する。 (4)あとに残った油分をはかり、最初のタネの重さとの比率によって含油率を計算する。 --引用終了-- 溶剤に油を溶かして、油を取り出し、溶剤を揮発させて油だけ残すという感じであろうか。エーテルとは実験等で使うエチルエーテルなのだろうけど、たいへん揮発しやすいので、このような実験に向いているのかもしれない。ただ、普通の室内でたくさん揮発させると人体に有害かと思われるので、エタノール(アルコール)でやってみることにした。一応、エタノールも油と親和性があるように思うが、正解かどうかはわからない。 とりあえず、先ほど失敗したカスにエタノールを注ぎ入れた。 揮発しないようにラップで来るんで数十分待つ。 その後、布で濾しながら溶剤を別の容器に移し、空気にさらしてエタノールを揮発させる。 油脂なのかどうかはわからないが、少々ねっとりしたものが残った。ちなみに、揮発させている途中で、2/3くらい溢してしまった。 一応、顔料を混ぜてみる。 指で塗ってみた。 どうなるかわはまだわからない。ヒマワリ油のリノール酸含有率は、気候に大きく影響されるようなので、ほとんどの場合乾性油としていいものが採れる可能性は低いと思われる。 |
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