ウィキペディアの「なぜ私は私なのか」のページが良質なガイドになっている気がする件
人間の感情や思考、記憶などは、たぶん脳の活動によって発生しているのだろうけれども、なんというか、説明しにくいのですが、普段はあまり意識しないけれども、自分という意識がなんなのか、深く考えるとどうしても不思議でならないことではあります。同じような人間やあるいは脳を持った生物が多数存在していますが、生まれてからずっと自分は自分で、自分の頭の中から外界を認識しているようで、目を通して外を見て、手を動かして物を触ったりしています。眠って朝起きても自分であり、自意識みたいなものが自分の脳にあって、頭の中に存在しているように思える。しかし、この自意識みたいなものはどのような現象なのでしょうか。生物が複雑に進化して思考能力や感情を持つようになったというところまでは、特に何も不自然な点はなく納得できます。例えば、生物が無数に存在し、それぞれが思考し、意志と感情を持って行動しているという点は、そういうものだということで済むでしょう。脳の機能が電気的、化学的な反応で動いているとして、それによって人間が活動しているとしましょう。自分という人間が居て、そのような電気的・化学的反応で勝手に行動して生涯を終えるならわかるのですが、この自意識みたいなものはいったいどのような存在なのかと疑問も思うわけです。

で、この問いは哲学の1ジャンルであり、「なぜ私は私なのか」という問いによって表されるようです。

参考:なぜ私は私なのか ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/なぜ私は私なのか

「なぜ私は私なのか」という問いは、時間とは何かという問いと切り離せません。時間に関して非常に不可解な点があるからです。宇宙の始まり、言い換えれば時間の始まりを仮に150億年前とするとし、そして仮に終焉があるとして150億年後と見積もった場合、全体で300億年あることになります。その中で、偶然にも今現在自分が生きている数十年の一瞬とも言えるようなわずかな時間が、少なく見積もっても300億年はある可能性の中の、たまたま今であるというのは、偶然にしてもいくらなんでも出来過ぎているのではないか。自分が存在する時間のまだずっと前か、とっくに終わって何億年も経った後だったりする方が自然ではないでしょうか。

これらの問題に明確な解答はありませんが、古くから人類よって考察されてきたので、答えを求めたいと思うならば、アプローチとしては、その経過をたどっていくことが順序としては正しいといえるでしょう。そんなときに役に立ちそうなのが、ウィキペディアの「なぜ私は私なのか」のページであり、つい最近見つけたのですが、とてもよくまとまっているような気がしました。参考文献も多数掲載されており、この問いが発生してしまった人には、よいガイドブックとなるのではないでしょうか。ちなみに問いの発生率は10人に1人らしく予想以上に高確率な模様です。私が学生だった頃は、ウィキペディアなんてありませんから、書店に行って名著と言われる哲学書を多数買ってみたりしたのもよい思い出ですが、いま振り返ってみると、まるで見当違いの本を読んでいて、たいへん効率の悪い読書をしていたといえるでしょう。まぁ、それはそれでいいのかもしれませんが。

最近は科学的にも取り組まなければならない問題となってきている模様です。
参考:意識のハード・プロブレム ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/意識のハード・プロブレム

上記の記事によると「意識のハードプロブレム(いしきのハード・プロブレム、英:Hard problem of consciousness)とは、物質および電気的・化学的反応の集合体である脳から、どのようにして主観的な意識体験(現象意識、クオリア)というものが生まれるのかという問題のこと。意識のむずかしい問題、意識の難問とも訳される。オーストラリアの哲学者デイヴィド・チャーマーズによって、これからの科学が正面から立ち向かわなければならない問題として提起された。対置される概念は、脳における情報処理の物理的過程を扱う意識のイージープロブレム(Easy Problem of Consciousness)である」ということです。

| その他 | 09:14 AM | comments (0) | trackback (0) |










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