2015,04,29, Wednesday
以前、羊の角から、膠を作ろうとして失敗したことがありました。
詳細:http://www.cad-red.com/blog/jpn/index.php?e=1080 あれからだいぶ月日が流れましたが、テオフィルスの書にも書いてあるとおり、鹿の角で試してみておかねばと、以前から考えていました。鹿膠というのも売られていることだし。今回の目的はあくまで「角から膠をつくることができるか確認したい」ということだけですので、念入りにデータを記録したりなどはしておりません。なお、本当は冬にやろうと思っていたのですが、ぼやぼやしているうちに四月になってしまいました。というか、数年間ぼやぼやしてたわけですが。 手順は、かつて牛の皮から膠を作ったときと変わりませんので、詳しくはそちらを参照してください。 詳細:http://www.cad-red.com/blog/jpn/index.php?e=928 今回使用したのは、数年前にヤフオクで入手していた鹿角です。 ちなみに、角の断面はこんな感じです。 ↓のような電ノコで1cmくらいの厚さに輪切りにしました。 テオフィルスでは粉々にした牡鹿の角とありますが、粉々というのも大変そうだなと思いまして。粉々ってどうやってやるんでしょうね。ちなみに電ノコで切るとすっごい臭いです。獣が焼ける臭いでしょうか。切っていると粉もたくさん発生しました。輪切りの角で失敗したら、粉を使ってみたいところですので、とりあえずとっておくことにしました(結局輪切りでうまく膠がとれたので使用せずに破棄しました)。 輪切りの角270gと水500gをグリル鍋に入れて加熱します。 温度が上がってくると同時に、なんかすごく膠臭がしてきて、さらに膠色のもやっとしたものが湯の中ににじみ出して、これはいけそうだという手応えがありました。羊の角は、全く無反応でしたからね。最初沸騰させ、その後保温状態でというのを考えていたんですが、目を離したすきにまた沸騰してたりして、お湯の温度管理は今回かなりいい加減になってしまいました。 2時間ほど加熱のを保ち、熱い状態にしてみました。 途中、水が蒸発して少なくなってきたので、100mlほど水を追加、そして、比較的厚く切っていた角を取り出して、さらに加熱を続けました。 で、水がだいぶ少なくなってきたところで角を取り出し、ガーゼで濾しつつプラスチックの容器に移しました。 ちょっとテーブルにこぼしてしまったので、それと顔料を混ぜて紙に塗布してみることに。 乾燥後しっかりと顔料が定着されておりました。 数時間後、プラ容器に入れた膠を確認したところ、一応ゲル化している様子がみられました。 しっかりと測ったわけではありませんが、牛皮よりは採れる量は少ないと感じました。しかし、予想していたよりは膠が採れるものなんだなとも思いました。獣の皮は事前の処理が大変ですが、角であれば、皮の時に比べて下ごしらえが楽であるかと思います。最低限、砕くか、切るかして煮ればよいのですから。 |
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