2017,03,14, Tuesday
シルバーホワイトを筆頭にフレークホワイト、クレムニッツホワイト、クレムスホワイト、レドホワイトなどと鉛白絵具の名称は非常に多いのですが、おそらくは全て慣例名的な用法で、厳密に産地や製法を表しているわけではないでしょう。個人的にはレドホワイトという呼び方が、最もストレートで私の好みですが、それはともかく、クレムニッツ、そしてクレムスは都市名だと思うのですが、この違いは何か。各社の絵具のラベルを確認すると、一般的に英語ではクレムニッツホワイト、ドイツ語でクレムサーヴァイス(クレムザーヴァイス?)と書かれること多いように見受けられます。
・ウィンザー&ニュートン(英)のクレムニッツホワイト 汚れていて読みにくいのですが、ラベルには大きくchremnitz whiteとあり、下段に各国語の表記で、小さくCremserweißの文字が見える。やはり汚れていて、非常に読みにくいが申し訳ないですが、頭文字がKじゃなくてCになっているように見えます。 ・ムッシーニのクレムス白(クレムザーヴァイス) 大きくドイツ語名、kremserweißと書かれ、下段に小さく英語表記のchremnitz whiteが見られます。 マックス・デルナー邦訳版p.78の註に以下のような解説があります。 --引用-- ・・・英語ではシルバーホワイト、クレムニッツホワイトという。クレムニッツ白の由来は、チェコスロバキアの工業都市クレムニッツから来ているが、実はそこでは鉛白は製造されておらず、ドナウ川沿岸の都市クレムスから供給されていた。・・・ --引用終了-- これはどういうことなんでしょう。ドイツ語圏ではクレムスから直接供給されていたが、英語圏ではクレムニッツ経由だったのか。それとも、いずれもクレムニッツ経由だが、ドイツ語圏では、それがクレムスの白だとわかっていたのか。 参考:各社シルバーホワイト : とりロジー http://torilogy.exblog.jp/15853599/ フランス語、イタリア語は残念ながら全くわからず、その辺の違いも検討できたら面白いのですが。イタリア語はちょっと勉強してみたい気がします。チェンニーニとかダ・ヴィンチの頃とかの単語がある程度、なんとなくでも読めたら参考になりそうなので。 |
コメント
コメントする
|
この記事のトラックバックURL
http://www.cad-red.com/blog/jpn/tb.php/1353
トラックバック
|