フジミ模型の銀閣寺、製作開始しました。
さて、前回も述べた通り、キットの屋根には縦線のモールドがありますが、こけら葺きの場合は横線になるかと思われましたので、耐水ペーパーで削り落としました。
これに改めて横線を彫り込むという手もあるのですが、かなりの手間になるので断念し、経年劣化してこけら葺きの線が見えなくなった状態を再現するという方向でいくことにしました。その方がらしく見えるかと思います。
やや形が不鮮明になったような状態を表現するため、まずは、タミヤの情景テクスチャーペイントの路面ライトグレイを塗ります。
刷毛で何回か繰り返し塗布しました。このテクスチャは経年檜皮葺の屋根でも使用しましたが、数十年ほど経ったものは、遠目にはこけら葺きと檜皮葺は、似たような感じに見える、あるいはなんとなく似ているけれども、こけら葺きは檜皮葺ほどは乱れない、檜皮葺は古くなると草やら苔までも生えてくる、というような印象なのですが、しかし私の伝統建築屋根観察は最近はじめたばかりなので、まだまだ勉強不足であります。
今はそれはともかく、このテクスチャの上に色を塗ろうと思いまして、画像検索して銀閣の屋根の写真をたくさん見たのですが、天候や時間帯等の条件によって色がかなり変化し、何色を塗ったらよいか結論はでませんでした。葺替えからの年数でも変わってくるかと思います。黒く見えることもあるし、灰色でもあるし、赤っぽいときもあるし、時には銀色に輝いて見える写真もありました。というわけで、それらの色をちょっとずつ缶スプレーで吹いてみることにしました。
これは我ながら微妙な出来映えであり不満もあるのですが、この後の壁などとの組み合わせで印象が変わってくるであろうから、あまり考え過ぎずに次にゆきましょう。
次に壁のパーツにかかりますが、スケールが小さいこともあって、木と漆喰、障子等が分かれていないので、自分で塗り分けないといけないようです。そこでまずは全体をつや消しの白でスプレー、ちょっとだけ灰色もスプレーして落ち着いた彩度に調整しました。
それから白部分にタミヤのマスキングテープを貼ります。白部分は説明書の塗装解説に指示されてあります。
地味に大変な作業ですが、タミヤのマスキングテープが扱いやすくて、ついつい夢中でやってしまうようなところがあります。
マスキングが済んだら、全体にウッドブラウンをスプレー。
一般に銀閣寺からイメージされる色よりも、明るめに塗装しました。これも写真を見ると、日照条件などで、色がころころ変化しているので、なんとも言えません。模型のパッケージの写真だと、ほぼ黒という印象ですが、光量が多いときには、だいぶ木の質感がしてきているように見えるので。というわけで、明るめの木の色調で塗装した上に、ウェザリングで暗い色を表現していくことにします。
まずは全体にMr.ウェザリングカラーの「マルチブラウン」を塗布します。
さらに二階の壁は同じくMr.ウェザリングカラーの「マルチブラック」で塗り重ねます。銀閣寺の二階は黒漆塗りだった可能性があり、その話をすると非常に長くなりますが、たいへん有力な説だと思われます。現在の状況を模型レベルの視点で観察するのは難しいですが、ちょっと黒いようにも見えます。ちなみに軒下部分の構造物には豊かな彩色もあった痕跡も見られるようです。
ウェザリングを綿棒で丁寧に拭き取ってから、マスキングテープを剥がしてみました。
うまく言っているのかどうか、緊張する場面ですが、あんまり上手くいってるようでもありませんが、まぁ、こんなものでしょう。
どうも、この調子だと年内の完成は無理そうです。