鉛白作りを開始
夏休み中なのですが、残すところ3週間となってしまいました。それでもけっこう長いとは思いますが、講師以外の仕事も入ってくるだろうと思っていたのですが、あんまりそうでもないみたいな感じですので、本当にただの休みのような感じなのですが、しかしやるべき課題は多々あるのであります。実はこのところいまいち画材の研究というものにいまいち取り組んでなかったので、この機会に初心に返って、画材の何かに勤しみたいところなのですがまずは鉛白を作ってみたいと思います。鉛白の作り方は古くは古代ローマ時代のヴィトルヴィウス、中世のテオフィルスなどでは壺などの底に酢を入れ、上部に鉛板を置くなどして、酸性の蒸気にさらすことにより、鉛が腐食して白くなってゆくというくらいの方法が書かれてありますが、近世以降、バロック期あたりですと馬糞を置いて炭素(メタンガス?)を供給していたようですが、より近代的な大量生産方法ですと、鉛板を吊した部屋に酸性の蒸気及び二酸化炭素を供給して製造するという具合だったかと思います。最近、あまり画材のことを考えていなかったので、いろいろ間違ってるかもしれませんが、今回の顔料作りが終了するまでには、調べなおして改めて投稿したいと思います。で、現代の方法は上記のいずれとも違うのですが、以前の近代的製法の方が絵画用とでは優れているというふうに言われたりしております。実際にどうなのかは意外とはっきりしません。何しろその近代的製法の鉛白ホワイトというのがなかなか手に入らず、あるいは手に入ったと思っても実はそうではなかったとか、いろいろありますので、私としてはそのようはことはあまり気にせずに、画材の理解の為と割り切って鉛白を作ってみたいと思います。

今回は馬糞の代わりにイーストを使用します。イーストと砂糖を混ぜておけば、二酸化炭素を発生させるであろうということで。この中の炭素が役立ってくれるのではないかと思います。分量等はまだよくわからないので、とりあえずホームベーカリー用の3g入りのイーストにその4倍の白糖をまぜ、お湯で溶いてみました。イーストはすぐに反応してブクブクとふくれてきまして、大きめの器を用意したつもりでしたが、あやうくあふれ出すところでした。反応がとても早いですね。この件に関しては、ゼラチンを2%添加することで、ゆっくりとした反応になるという話を教えて頂いておりまして、今回はゼラチンを混ぜた器も用意しました。

写真では、左側がゼラチン無しでありまして、初っぱなに反応の大半が進んでしまった感があります。自分用のメモとして書いておきますと、左側はイースト3gに白糖12g、湯を15gを混ぜたものです。右はイースト6g、白糖24g、ゼラチン1g、湯24gで混ぜたもの。ゼラチン入りの方は倍ぐらいの量にしてありますが、ゆっくり反応してくれるなら多めに用意しておいてよいかな、という考え方です。ゼラチン無しの場合は、頻繁にイースト容器を入れ替えるということで、1度の量は少なめにしております。

というわけでコンテナの底に酢を入れ、プラスチックの器に鉛テープを、それから、イーストの皿を並べたのが以下の写真です(ゼラチン無し)。

こちらはゼラチン入りのイースト容器を入れたものです。

コンテナはアイリスオーヤマのバックルコンテナを用意しました。透明なものと、ダークグリーン色のものを買ってみましたが、光を遠さない方がいいというような噂も耳にしましたので、果たしてどっちがいいなかというところですが、実験としては透明な方が常に観察できるので、その利点は大きいような気がします。イースト溢れてないかとか、気になることは多々ありますし。おそらくはコンテナが黒、フタが透明なものがたぶん一番いいかと思います。なお、アイリスオーヤマのバックルコンテナは、よく観察すると、多少通気性がありそうです。これはどうなのか、空気の出入りが少しくらいあってもいいのか、というも今はわからないところですが、密閉したい場合は、隙間テープみたいなもので補強してみるとよいのかもしれません。今日のところはマスキングテープで仮止めしておくことにしました。

酢ですが、ワインビネガーを使ってみました。これも意味はよくわかりませんが、西洋ならワインビネガーではないかな、というそれだけの理由なのですが、何か意味があるのかというと、気分的なものであろうか、というところもあって、西友の一番安い穀物酢でもよさそうな気がするのですが、いずれにしても鉛板の購入だけで手間も金も出ているので、今は気にしないことにしましょう。

ついでなので、イーストを入れないコンテナも用意してみました。ビネガーだけです。若干の通気性を残しておけば、大気中の二酸化炭素でいけるのではという気もしますが。それと掃除していたら、氷酢酸も見つかったので、これを使いつつ、適当な通気性の元でというのもあるかもしれませぬ。今回はまだ試行錯誤的な部分もあり、以下の3パターンのみで試してみようかと思います。

その他に関しては鳥越さんもやってみるというので、別の何かパターンを試してもらえればと思っております。お気づきの点があれば、コメント欄にて教えてください。

| 絵画材料 | 11:04 PM | comments (2) | trackback (0) |
ご無沙汰しております。やるんですね!!
二酸化炭素が酸素より重い事を考えて配置されると良いのでは。
| きっかわ | EMAIL | URL | 2021/08/04 01:29 PM | mRtbCMbg |

ご無沙汰しております。ようやくチャレンジしております。
なるほど、それは見落としておりました。
この状態ですとガスが届きにくいですね。イースト皿は少し上の方に設置し、鉛板のプラケースへ誘導するような道を何かでつくってみようと思います。その性質を活用すればかなり効率よく供給できますね。
| 松川 | EMAIL | URL | 2021/08/04 07:58 PM | SnK6A2WU |











http://www.cad-red.com/blog/jpn/tb.php/1633

↑上に戻る↑ <<新しい記事 : 古い記事>>
累計
本日、昨日 集計結果
  
■NEW ENTRIES■
■RECENT COMMENTS■
■RECENT TRACKBACK■
  • 昔のキャンバスの木枠は意外とシンプルだったのか?
■CATEGORIES■
■ARCHIVES■
■PROFILE■
■POWERED BY■
BLOGN(ぶろぐん)
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■OTHER■
■LOGIN■
現在のモード: ゲストモード
USER ID:
PASSWORD: