自宅にメタセコイアを植えているのですが、そんなに大きくなったわけではないですけれども、そろそろ樹液ぐらいは採れそうだと思って試みているところです。何しろ、琥珀になる可能性のあるタイプの樹脂を出す木として、メタセコイアが上げられていますので、そのタイプの樹脂ならば、画用コーパルとして現在売られているタイプの樹脂を同じような性質を持つかもしれないという可能性がありまして。コーパルとはいったい何なのか、という疑問のちょっとしたヒントになってくれるかもしれないのであります。
で、2年前は以下のように樹皮を剥いて、傷を彫って樹液を集めようとしたのですが、失敗しております。
マツやキハダはこれでじわじわと樹液がわき出して、流れるように落ちてくるのですがメタセコイアではさっぱりでした。
他には、数センチほど穴を開けてストローを指しておく、これはカエデの木から樹液を取るときによく見る方法ですが、
こちらも何も出てこないのです。カエデなどは辺材のところを道管があって、水が流れていたりするのでありましょうが、メタセコイアはどうなんですが。どっちにしろ、辺材はあたりは水みたいなものが流れるところで、樹皮を保護するような樹液が噴き出すようなところではないのかもしれません。
それで私はいろいろ調べてはみたのですが、樹脂的な樹液が出てくるのは、師部(内樹皮)といういう、外樹皮のすぐ下の層らしい、というけっこう基本的な事柄に気がつきました。調べてみたとは言っても、難しい専門書は読んでおらず、農文協の絵本シリーズをひたすら読んでいたんですが、もちろんメタセコイアの本はありませんが、様々の樹種の本を見て、広く浅くいろいろ知識が付いたような気はするのですが。
というわけで、外樹皮だけを剥がして、内樹皮層と思われるところに包丁で切り込みを入れてみたところ、10日ほど経ったところで、このように樹液が出てきておりました。
他の木のようにすぐに出てくる感じではありません。数日経って、ふとのぞき込むと出ていることもある、という程度です。はじめはかなりねっとりしておりまして、数日経つと固く脆くなります。大木ならいざしらず、現状では爪で引っ掻いて取るくらいの大きさの樹液塊が得られるくらいです。東南アジアの樹脂採取の動画を見ると、けっこうがっつり彫って樹脂を出してたりしますが、それはダンマルの木みたいな樹脂大量放出樹のことであって、メタセコイアの場合は、本当にこの外側だけなのかもしれません。もっと大木になるとまた量が違ってきたりするのかもしれませんが。それにしても樹木というものは、幹の大半は死んだ細胞から構成されており、活発に生命活動しているのは、非常に薄い表面の部分だけなのですな。
そして、このように浅い傷をたくさん付けまして、せっせと樹液集めをしているところです。
9月いっぱいせっせと集めてみようかと思ってます。