ヘマタイトを砕いて顔料(ベンガラ)にしてみる その2
前回の続きです。

前回砕いたもののうち、練習も兼ねて腎臓状の黒っぽい破片の方を精製してみることします。


乳鉢でさらに少し細かく摺ったあと、水を入れてまして、少し待ってから上澄みの赤い液だけホウロウ鍋に移します。


見た目がすごく酸化鉄感があってテンションが上がります。


ホウロウ鍋をカセットコンロで熱します。


それほどの量ではなかったので、比較的短時間のうちに水分が蒸発し、顔料が残りました。

常温で蒸発させようとすると数日かかりますが、これだとすぐに顔料とすることができます。この煮沸では赤みや彩度が増す効果はあまり期待できないかと思います。水がなくなったあとも加熱すれば、100℃以上の熱になって、黄土や褐鉄鉱ならば赤みが増すかもしれませんが、もともと赤茶のものだと変わらないかと思います。そして今回の顔料の色ですが、期待していたよりは彩度が低めでした。この色でも油彩画的には褐色として大いに役立ちますが、ベンガラを名乗るには赤みが足りないといえましょう。

次に赤い多孔質部分を精製します。


今度は、水簸に時間をかけてみました。

縦長の容器、これはプラコップですが、これに水と共に入れまして、一晩待つことに。どうも、この顔料は、細かな粒子のものはかなり長い時間上方に留まっているようで、大きめの粒が落ちてゆくのをじっと待つと、彩度の高いベンガラが得られそうな気がしたのです。ベンガラの彩度は水簸が肝なのではないかという予感がしてきました。

そんな気がしたので、ここは水簸技術の練習をしようと思いまして、何回かやり直したりなどして、延々と水簸的なものを繰り返しておりました。

おなじ酸化鉄でも、このくらいの差が出てきます。静脈と動脈の血液の色の差みたいな図になっておりますね。

充分に水簸を試行錯誤した後、先ほどと同じように煮沸して仕上げました。

水簸を繰り返して遊んでいたために、最終的にはこれくらいのわずかの顔料が得られただけでしたが、勉強にはなりました。今現在の認識としては、原料のヘマタイトはもともと赤いもの、多孔質?(コークス状?)で砕きやすそうな感じのものを選んでおいた方がよく、水簸は時間をかけてやった方が赤いものが得られそうな感じがしているという感想を持っているところです。しかし他の状態の赤鉄鉱、それから褐鉄鉱などを使用してみるとまた見解も変わりそうな感じでありますが。

| 絵画材料 | 08:37 PM | comments (0) | trackback (0) |










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