ウルトラマリンの実験1
ウルトラマリンは酸性の大気に触れることにより退色してしまう。
逆に希塩酸など酸性の液体で退色した場合は、ウルトラマリンであるとわかる。

ということで、ちょっと実験をしてみる。
※有毒なガスが発生するので、絶対に真似しないでください※

希塩酸を使うのが普通かと思うが、できるだけ身近な材料で行なった方がいいかと思い、酸性液としてレモン汁を使用してみる。


ウルトラマリン顔料とレモン汁を用意。


というわけで、磁器皿上に、ウルトラマリンを少量。そこに、レモン汁を投入。


軽くかき混ぜる。


すぐに反応が始まり、硫黄臭がしてくる。数分後には色がなくなる。


硫黄が分離しているということは、ここに鉛白加えたらどうなるのか。というわけで、少量の鉛白を投入。


真っ黒に。


ウルトラマリンだけ実験しては、他の青との比較がないので、コバルトブルー顔料でも同様の実験を試みる。


いくら待っても変化なし。

いろいろなウルトラマリンを比較テストしてみる。

左上から、天然ウルトラマリン(クレマー)、クサカベのウルトラマリン、同ウルトラマリンライト、クレマーの人工ウルトラマリン、インターナショナルクラインブルー、コバルトブルー。


レモン汁投入直後。


数分後。

本当は耐酸性処理の比較などができればと思ったのだけど、レモン汁多かったのか誤差程度の時間差でコバルトブルーを除く全サンプルの色が無くなるという結果に。天然ウルトラマリンも実験に加えた為、さすがにもったいなくて少量ずつのサンプルになってしまったのが原因。写真ではK社の顔料が先に色がなくなっているように見えるが、これはレモン汁を投入した順番のわずかな時間差によるもので、写真を撮るタイミングがミスるなぁ。ただし、天然ウルトラマリンだけはいちはやく色が消失したように見えた(もともとの色が合成品に比べて晴れやかな青なので、そのせいもあるかもしれないけど)。天然ウルトラマリンはちょっと黒っぽくなってるのは不純物でもあるのか。なお、現代の合成ウルトラマリンは、耐酸性処理されているそうで、しかし低級品はされていないとか。

※有毒なガスが発生するので、絶対に真似しないでください※

| 絵画材料 | 09:18 PM | comments (0) | trackback (0) |










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