2008,08,23, Saturday
ウルトラマリンは酸性の大気に触れることにより退色してしまう。
逆に希塩酸など酸性の液体で退色した場合は、ウルトラマリンであるとわかる。 ということで、ちょっと実験をしてみる。 ※有毒なガスが発生するので、絶対に真似しないでください※ 希塩酸を使うのが普通かと思うが、できるだけ身近な材料で行なった方がいいかと思い、酸性液としてレモン汁を使用してみる。 ウルトラマリン顔料とレモン汁を用意。 というわけで、磁器皿上に、ウルトラマリンを少量。そこに、レモン汁を投入。 軽くかき混ぜる。 すぐに反応が始まり、硫黄臭がしてくる。数分後には色がなくなる。 硫黄が分離しているということは、ここに鉛白加えたらどうなるのか。というわけで、少量の鉛白を投入。 真っ黒に。 ウルトラマリンだけ実験しては、他の青との比較がないので、コバルトブルー顔料でも同様の実験を試みる。 いくら待っても変化なし。 いろいろなウルトラマリンを比較テストしてみる。 左上から、天然ウルトラマリン(クレマー)、クサカベのウルトラマリン、同ウルトラマリンライト、クレマーの人工ウルトラマリン、インターナショナルクラインブルー、コバルトブルー。 レモン汁投入直後。 数分後。 本当は耐酸性処理の比較などができればと思ったのだけど、レモン汁多かったのか誤差程度の時間差でコバルトブルーを除く全サンプルの色が無くなるという結果に。天然ウルトラマリンも実験に加えた為、さすがにもったいなくて少量ずつのサンプルになってしまったのが原因。写真ではK社の顔料が先に色がなくなっているように見えるが、これはレモン汁を投入した順番のわずかな時間差によるもので、写真を撮るタイミングがミスるなぁ。ただし、天然ウルトラマリンだけはいちはやく色が消失したように見えた(もともとの色が合成品に比べて晴れやかな青なので、そのせいもあるかもしれないけど)。天然ウルトラマリンはちょっと黒っぽくなってるのは不純物でもあるのか。なお、現代の合成ウルトラマリンは、耐酸性処理されているそうで、しかし低級品はされていないとか。 ※有毒なガスが発生するので、絶対に真似しないでください※ |
2008,08,10, Sunday
今回は丁子(チョウジ)、染料と言うより香料みたいなもので、ますます絵画材料と離れているような気が。
使用したのは藍熊染料(株)の丁子 英語でクローブって言って、食材(香辛料)として西洋でも昔から使われていたそうですな。私は料理とかよくわからないので、さっぱり知らなかったけど。 染料としての使用法を調べようと思ったのだけども、書籍、ネットともにあまり情報量は多くない。木村光雄(著)『自然の色と染め』によると「アルミ媒染で茶色に染めますが、鉄媒染による黒染めに使用されています」P.50とあるので、適当に2種類の媒染方法を試してみようかと。 と、その前に、布に対して灰汁で先媒をやっておく。 染浴に浸けた布を、灰汁の媒染剤に浸けると(後媒っすね)、じわっと色が抜けて媒染液に出てしまうことが多くて、もしかしたら濃度が濃すぎるのかもしれないけど、とにかく布から色がどんどん抜けてしまう。染まるという現象は、色素が染浴から布の繊維へと移動することだとすれば、逆に先に灰汁で先媒しておけば、染浴から色が布へ普段よりどっと移動しないだろうか、などと考えたわけだが。まぁ、まだ灰汁というものの性質がよくわかってないですな、自分。 染めるのは綿100%のTシャツ。 煮出し。1時間弱ぐらい。香料だけあって、けっこう香る。 一応、濾しておく。 こんな感じの染浴に。 綿のTシャツを2枚ほど投入。こんな感じで、薄い茶色ぐらいの色。丁子染めの衣類なんか見るとこの程度の色調なので、これで特に問題はないのだろうけど。 片方はそのままみょうばんで媒染してみる。特に色味的に変化なし。 残りの染液に錆び釘と酢で作った鉄媒染液を入れてみる。タンニンを含むので鉄媒染で黒に。つってもそんなに濃くはないが。 水洗いして干す。黒っぽいのが鉄媒染、黄色いのがみょうばん媒染。 乾かした状態。左がみょうばん媒染、右が鉄媒染。ちょっと写真では薄く見えるが、だいたいこんな感じの控えめな色調。 ※テキトウにやったものであり、本エントリーの手順が正しいかどうかは保証致しかねます。 |
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