枇杷の葉&銅媒染
引き続き、銅にまつわる色材の勉強のつもりで。。。

銅をなんらかなの方法で腐食させると、ほとんどの場合、緑色が析出してくる。青が出てくることもある。この「なんらかの方法」という点が問題で、本やらネットやらでいろいろ読んでみたが、頭の中がさっぱり整理できない。それで、最近、とにかく銅を弄ってみているのだが、本日は銅媒染剤を使って染色をやってみることに。

銅媒染剤だけれども、一般的に書物等で見かける作る方は、銅線+酢酸(or氷酢酸)+お湯となっており、この方法でいくつか作ってみている。仕込みの期間は2週間ぐらいとされることが多いが、どうも自分の場合、2週間経ってもうっすら青い程度で、まだ使えそうな感じには見えない。しかし、以前、銅板に酢酸銅を噴かせようと思って、酢に半分ほど浸した銅板のサンプルがあったのだが、その瓶に入っている酢は、わずか3日程度で濃い緑色になってたりして。。。これは半分空気に触れている為かと思うのだが、銅が空気に触れている場合と、酢のなかにすっぽり入っている場合の違いというのはどのようなものなのだろうか。

細かいことはともかく、今はこの緑色の液を使ってみることに。
枇杷の葉&銅媒染

ところで、銅媒染って、どの染料で使うんだろうか。普通は使用したい染料や出したい色で媒染剤が決まると思うが、媒染剤を使いたいから染料を選ぶという、順序が逆転してるので。

とりあえず、ホームセンターで売っていた「枇杷(びわ)の葉」のラベルに「明ばん媒染で黄色~オレンジ色、銅媒染でオレンジ色、鉄媒染でグレーに・・・」と書かれていたので、これでやってみる。
枇杷の葉&銅媒染

枇杷の葉を煮出す。
枇杷の葉&銅媒染
秋も深まり湿度が下がってきてるのか、火も点けやすい。火災とかにも気をつけねば。

染めるための布も水に浸けて下ごしらえしてみる。先媒なのか後媒なのかわからぬので、一応、少量の媒染剤を入れておいた。
枇杷の葉&銅媒染

1時間ほどかけて煮出したあと、布で濾す。
枇杷の葉&銅媒染
枇杷の葉ってすごい香りがいい。

染液の色はこんな感じ。
枇杷の葉&銅媒染

再び染液を一度寸胴鍋に戻して、布を入れ、火にかける。なんか、薄いっすね。でも、枇杷染めの布とかの画像を検索して探すと、やっぱりこんなものみたいですが。
枇杷の葉&銅媒染

なんか、面倒になってきて、銅媒染剤をガバッと入れてみたが、それで多少色が濃くなったような気がしないでもない。

水洗いして干した後の写真。
枇杷の葉&銅媒染

確かにオレンジっぽいような気もするが。染液の色がもともとオレンジ系なので、媒染剤が効いたのかどうか判別できないではないか。
銅媒染挑戦の意図に相応しい染料じゃなかったか。

| 絵画材料 | 11:50 PM | comments (2) | trackback (0) |
ウルトラマリンの退色、変色を無理矢理発生させてみる実験。
ウルトラマリンは大気による灰色化や、シルバーホワイトとの混色による変色などを本などでよく目にするけれど、実際にはっきりと目で確認する機会はあまりないと思うので、ちょっと強引な環境を作って、それらの現象を発生させてみよう、という実験です。

まずは、小さく切った合板にアクリルジェッソを厚めに数層塗布。そこに油絵具のウルトラマリンを塗る。
ウルトラマリンの退色or変色
写真のように、ウルトラマリン単色と、シルバーホワイトとの混色の2種類を塗布。
塗布の際、自製サンシックンドオイルとテレピンで若干希釈してある。

ガラス容器に酢(ワインビネガー)を注ぐ。
ウルトラマリンの退色or変色

ワインビネガーに直接サンプルが触れないように、陶器の器を置いて、その上にサンプルの板を置き、フタをする。酢酸とか使う方が実験らしいかもしれないけれど、より身近な素材を使った方が、より現実味が増すような気がするので。
ウルトラマリンの退色or変色
これで酸性の空気に曝されるという感じになると思います。

すぐに反応が現われると思っていたのだけれど、何日経ってもほとんど変化無し。塗布するときに、しっかり油を加えて塗ったので、油による防護膜で出来ていたかもしれない。次回は、テレピンのみとか、水彩絵具などもサンプルに加えておこうかと思った。

3週間ほど経って、ようやくパッと見でもわかるような変化が現われたので取り出してみる。酸性の大気に触れさせるつもりだったけど、すっかり水滴が付いてたりする。
ウルトラマリンの退色or変色

脱脂綿で水滴を拭き取り、撮影する。
ウルトラマリンの退色or変色
左のシルバーホワイトと混色した方は、全体に黒い斑点が多数現われているのが見える(特に外周あたりに濃い黒が出てますね)。酸との作用で、ウルトラマリンから遊離した硫黄がシルバーホワイトの鉛と反応して黒くなったものと思われる(違ってたらご指摘を)。
右側のウルトラマリン単色の方は明らかに色が薄くなってなっている。

条件としてはかなり過酷な状況での変化だけれども、通常の環境でもい長い年月のうちにこのようなことが起こるかもしれない。といいつつ、予想したより反応に日数が必要だったのは、やはりリンシードオイルをしっかり追加したからか、と思ったりして。次は、ワニス引きした場合などの比較してみたいっす。

| 絵画材料 | 09:34 PM | comments (0) | trackback (0) |

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