2010,08,31, Tuesday
コハクとコーパルはどんなところが違うのか、どのぐらいの差違あるのか、という点について、実際に素材に触れながら体験してみたいような気がしないでもないという話の続き(なんの脈絡もオチも結論もない点を予めご了承ください)。
その1はこちら↓ http://www.cad-red.com/blog/jpn/index.php?e=795 左が琥珀(たぶん)、右2点がコーパル。 マダガスカルコーパルは、マニラコーパルのようにアルコールに容易には溶解しないけれども、徐々に軟化して一部は溶けているかと思われるぐらいになったのは過去に書いた通り。 http://www.cad-red.com/blog/jpn/index.php?e=800 ↓ ↓ ↓ その後、樹脂の軟化はさらに進んで、こんなふうになっている。 溶けたと思われる部分だけ、実際に木材にニスとして塗ってみたりもした。 実は同時に琥珀の方もアルコール(無水エタノール)に浸けておいたのだが、あれからずぶん日数が経ったにもかかわらず、見た目にはほとんど変化がないようである。 ↓こんな感じ。 やはり琥珀とコーパルは、別の段階として差別化するべきな感じの印象が強い。 でも、よく見ると、アルコールが少々赤く染まっているようにも見えるので、多少は何かが溶けているのか。それとも琥珀を赤く見せるために染料が塗ってあったのか。 試しに、アルコールから琥珀を取り出してみたら、層が捲れるような感じで、形が崩れていた。 部分的に溶けやすいところと、そうでないところがあるのだろうか。いずれにしても、コーパルとは全然溶け方が違うのは確かだが。 そもそも、この琥珀が正真正銘の天然品かもちょっとわからないのだけど。 俵屋工房さんより頂いていたクレマーピグメントのアムバーがあったことを思い出したので、実験に参加させる。 無水エタノールに漬けて数日。 コーパルみたいに軟化したりはせず、溶けているようには見えないが、微妙に色は染み出すんですなぁ。 樹脂に対してアルコールの量が多いので、適正な比率ならニスの色成分として役立ちそうな感じがしないでもない。 クレマーの材料販売サイトの解説を参照しようかと思ったが、昔の本の抜粋がPDFで掲載されているだけみたいである。 一般的に琥珀というのは採取されたもののうちで、研磨等の単純加工で宝飾品として使えるものはごく一部で、ほとんどはそのようなグレードではなく、熱処理その他で再加工して再生琥珀やらアンブロイド、またはその他の用途に使用されるという。宝飾品用のものも、形を整えるときに切片が多く発生するであろうし、たぶん、そんな感じの細かい部分かと。 というわけで、引き続き観察してみることに。 |
2010,08,27, Friday
テンペラ用支持体石膏地の支持体としても定評のある共芯のシナ合板、ネットでも注文できるところがないわけではないけれども、注文方法が面倒だったりで少々億劫な面もあったりしたが、ゆめ画材さんで取り扱っていたので、注文してみた。
ちなみにカテゴリー的には、 版画用品 › 凸版 › 版木 › シナベニヤ 特厚(9mm厚・5層)のところ(他にも版画関連のサイトで取り扱っていたりすることがある)。 基本的に版木用途だと思われるので、支持体用として売っているわけではないから、ご利用は自己責任で。 個人的には9mm厚のものをよく使用するので購入したけど、もっと薄いものもある。 テンペラ画で小さいサイズしか描かない場合は、厚いものを利用するのがなにかと利点が多いので、以下のところの合板が買える。 ゆめ画材 › カテゴリー > 古典技法と顔料 › 道具 › シナベニヤ板 価格を考えると、木材店で買った方がずっといいけど、試しに葉書大を注文してみた。 で、届きました。 特製ベニヤ板60×90cmシナ材共芯9mm厚(5層) |
2010,08,06, Friday
コーパルと琥珀の違いが、いまひとつ実感できていないような気がするので、両者を識別する方法として、一般的に言われているものを試してみようと思い立った。
コーパルは絵画材料用として手元にけっこうあるのだけれど、琥珀の方はあんまり無かったので、実験用にヤフオクで傷物品を安く落札してみた。本物の天然の琥珀かどうか不安であるが、琥珀に触れる機会が少なかったので、自分には簡単には鑑別できない。合成樹脂かどうかは、熱した針を表面に付けるときの臭いが、化学的なものか樹脂っぽいものかによって判別できるとされるが、実際に試みた感じでは、脂っぽいような気がしたので、合成樹脂ではないだろうと。。。 琥珀の鑑別方法は下記を参考にさせていただきました。 http://www.atelier-blueamber.com/amber-nature/immitation.htm 左から琥珀、次は以前のエントリーで紹介した、コーパル研磨セットのときのコーパル(マダガスカル産)、隣の大きいのが先日購入した虫入りコーパル(マダガスカル産)である。 で、琥珀とコーパルの違いであるが、まずは硬度の面で「琥珀の方が硬く、コーパルはそれより柔らかい」とされる。これは何らかの方法で傷を付けるなどすると実感できそうな気がするが、触った感触だけでも充分にわかるような気がする。 次に「琥珀は海水に沈み、コーパルは海水に浮く」という話もあるので、試しに食塩水に両者を入れてみた。 確かにコーパルは浮き、琥珀は沈んでいる。 べつのコーパル(マダガスカル産)でも試してみた。 マニラコーパルも試してみた。 ダンマー(スマトラ)もやってみた。 食塩水の濃度は適当にやっていたのでわからんのですが、かなり濃い。ちなみに真水では琥珀もコーパルも両方沈む。 で、もっとも確実な方法なのがエタノールの反応。「コーパルはエタノールに溶けるが、琥珀は溶けない(ただし圧縮加工琥珀は少々溶ける)」とされる(ちなみに、コーパルはランニング処理などしないとテレピンには溶けないが、アルコールには簡単に溶解してニスを作れます)。 虫入りコーパルに筆で消毒用エタノールを塗布してみた。 表面が溶けて白濁し、透明度で綺麗だったものが残念な見た目になってしまった。 琥珀にもエタノールを塗ってみる。 溶けたり白濁したり等は起こらない。 |
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