2010,11,28, Sunday
木炭というのは、ようするに炭であるから、手頃なサイズの枝を炭にすればいいのかなと思いついたので、さっそく試してみることに。
※思いつきでやってみただけなので、以下の方法がいいかどうかはわかりませんから、その点を踏まえてお読み下さい※ まず、「燃える」という現象は、光や熱を放ちながら、酸素と結合して気化あるいは煙となって去ってゆくということでよろしいでしょうか。木材などの可燃物を燃やすと、黒い炭になり、仕舞いには灰が残る。木炭を得るには、灰となる前の炭の状態を作る、あるいは空気を遮断して蒸し焼きにするという感じでありましょうか。ちなみに、植物などは微量の金属元素などを含んでおり、それが灰となって残るわけで、灰を釉薬として陶磁器を焼けば、含まれる金属の配合によって、いろいろな色味が出るわけである。この灰となるはずだった微量の金属元素も、木炭に含まれているでしょうから、このような不純物が色味に影響するのでしょう。 で、炭を作る方法だけれども、最近はミカンや栗などをその形のまま炭にするという、炭アートなどが流行っているようで、ネットで検索すると炭作りの方法がいくつも見つかるから、それらを参考してみましょうかと。。。 以下のページを参考にさせて頂きました。 http://yasuis.com/project2/sumiyaki.html http://inakasyokutaku.blog23.fc2.com/blog-entry-71.html 木炭は素材によって硬いものとか柔らかいものとか出来るようで、ヤナギの枝なんか有名だけれど、残念ながらヤナギは無いので、今回は伐採したまま放置されていたツバキから枝を拝借した。 画用木炭ぐらいの長さに切ったところ。 なお、『画材の博物誌』によると「リグニンの多い針葉樹は画用木炭にならない」そうで。。 蒸し焼きをする器であるが、炭の長さに調度よさそうなブリキ缶を100円均一で買ってきた。 できるだけ隙間のないように、枝を詰める。 ※ちなみに『画材の博物誌』では陶製の容器、チェンニーニは素焼きの器とある。 ※後日、画材メーカーの方から聞いた話では、明治ミルクのカンなどを使用していたこともあったそうで、今回選んだ缶の形状はそれほど間違っていないといえるでしょう。 フタに煙を出す穴を開ける。水蒸気やガスを逃がすためである。 なお、『画材の博物誌』では密封と書いてあったし、チェンニーニでも「いかようにしても空気が逃げないようにする」とあった。 今回用意した枝は乾燥しきってはいない様子だったので、水蒸気が逃げる穴が無いといけないと思うし、タールや木酢液のようなものも逃げて欲しいと思うが、細かいことはまだ経験不足でわからない。 で、カセットコンロで加熱開始。 煙のようなものが出てくるが、はじめのうちは、これは素材の水分が蒸気となって出ているそうである。 臭いがけっこうキツイので、住宅地では無理であろう。室内でやると住人が薫製にされそうである。田舎なんで、たまに野焼きしている人がいて、まぁ、ときどきこんな臭いが漂ってくるのだが、さすがに何度もやっていると苦情が来そうな予感がなきにしも。。※臭いに関しては素材の種類にもよると思われるが、今回の原因はスチール缶の塗料のせいかもしれない。この後、たびたび炭作りを行なったが、このような酷い臭いはしなかった。 圧力でフタが外れないか心配になってきたので、鉢を被せてみた。 1時間半以上経っても煙は出続けた。 煙の質がちょっと変わり、青白くなるそうである。この第二段階の煙は炎を近づけると火が着くという。 確かに火を近づけたら、燃えた。 この煙の出方が少なくなってきたら火を止めてよいそうである。 1時間45分ぐらい加熱を続けたところで、煙が少なくなってきたので、火を止め、冷ましてから、フタを開けてみた。 先っちょがまだ微妙に茶色くて、炭化しきってなさそうにも見える。しかし、それは上の部分だけで、全体としては漆黒になっていた。 縦長の缶を使ったので、上の部分でムラができてしまったのは、ある程度は致し方あるまい。 これが完成した木炭。 カッターで削ってみた。 芯までしっかり木炭である。 カッターでの削り具合も、市販の木炭と変わりない手応えである。 しかしながら、木炭を使用していたのは美大受験予備校生だった頃であって、実に十数年ぶりにさわったようなものなので、これが実用レベルのものかどうか判断しかねるものがある。まぁ、べつに実用レベルまで考えて作ったわけでもないけど。 水彩洋紙に試し描きをしてみた。 ちょっと思い出してきましたな。木炭の使用感。最初は紙に着かなくて、指で擦ったりして擦り込んでいくうちに良い色になっていったものです。 それにしても、細長いスチール缶を使っただけで、けっこうな量の画用木炭が作れるものですね。 蚊取り線香の缶にアルミホイルのフタ、というパターンで行なえば、この数倍の木炭ができそうである。底面も広くて熱が上手く伝わりそうだし、満遍なく炭化したものが得られる予感が。 蚊取り線香缶にぎっしり枝を詰めると、美大受験生一年分の木炭は軽く得られそう。 |
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