人間の知恵シリーズ
さ・え・ら書房「人間の知恵」という児童向け図書のシリーズを読んでいたのだけれども、これがなかなか勉強になる。時に目から鱗というか、物事に対してまだまだ基本的な知識すら身に付いていなかったのだなと認識させられる。単なる説明のみでなく、歴史上どのような方法が行なわれてきたかという点に多くのページが割かれているのだけれど、結果を説明されるよりも、発展や発明の過程を順に追っていく方が理解しやすい。歴史書みたいな感じになっている点で、読み物としても面白くなっている気がする。

目を通したものをざっと挙げてみると、まず、『紙のはなし』は、紙とはいったい何か、どのように作るのか、どのように作ってきたのか等、紙について書かれたもので、私が読んだ中では一番すっきりまとまっている。『あかりのはなし』、一見画材と無関係のようにも見えるが、ちょっとは関係ある。震災のときに長いこと停電になって気が付いたけれども、蛍光灯などの現代の照明がないと夜はほとんどの作業ができず、朝になるのをじっと待つような感じであって、蛍光灯にいろいろと不満のある制作者は多いと思うけど、なんだかんだで基本的には現代の照明は素晴らし過ぎるものでありますな。『せんたくのはなし』、せんたくの話は言い換えれば、アルカリの話であり、どのようなものからアルカリを得たのかという話でもある。『ガラスのはなし』などに目を通してみたが、限られた字数に非常にスマートに概要がまとめられており、『ガラスの技術史』(黒川高明)のような本を読む時間がなければ、こちらの本でもいいかもしれない。

そして、『鉄のはなし』に感化され、鉄鉱石から鉄を作るまでをやってみたいと思ったりして、特に深い考えがあったわけだけはないけれども、手元にある赤鉄鉱(左)と黄鉄鉱(右)を灯油式窯にて800℃で焼いてみた。
赤鉄鉱(左)と黄鉄鉱(右)
  ↓  ↓
赤鉄鉱(左)と黄鉄鉱(右)
黄鉄鉱は亜硫酸ガス(二酸化硫黄)を放出して、赤鉄鉱的なもの、赤い酸化鉄、弁柄などと呼ばれるものに変化した模様。黄鉄鉱は鉄の素材としてはあまり価値はないようである。訳も分からずいきなり熱してみただけだけれども、後日いろいろ下調べした上で実行し、最終的にまとめてみたいと思う。

| 書籍・雑誌・漫画・アニメ | 09:24 AM | comments (0) | trackback (0) |
冬になったらPVA板が硬くなった
以前、PVA糊を厚めの板状に固めて、板膠と比較したことがありましたが・・・

参考:PVAを固めてみた。
http://www.cad-red.com/blog/jpn/index.php?e=976

乾燥した後、非常に硬くなる膠に比べて、PVAは乾燥後もわりと軟らかく、手で曲げたりすることが可能だったけれども、冬になったらガチガチに硬くなってピクリとも動かなくなった。



部屋を暖めると、徐々に軟らかくなって、再び手で曲げることができるようになる。



ちなみに、曲げたまま冷気にさらすとそのまま固まるが、しばらく部屋に置いているとまた平らに戻った。

アクリル樹脂が、冬季に硬くなるので、輸送時に注意ということが、Justpaintに書かれていたけれども、PVAはどうなんでしょうね。描画層みたいに厚くぬらないから関係ないか。

外部リンク:アクリル絵画の安全な取り扱いと輸送
http://www.turner.co.jp/art/golden/technicaldata/justpaint/jp11/jp11article1.html

| 絵画材料 | 11:12 AM | comments (0) | trackback (0) |
高オレインと、高リノールの油を冷凍庫に入れて比較した
今年の冬の寒さはなかなか厳しく、室内のオリーブオイルが白濁し、固まっている。
しかし、他の食用油はとくにそんな気配はない。画材のオイルも大丈夫である。
ググって調べてみたところ、オリーブオイル白濁の原因は、オレイン酸の含有量が多い為と説明されていた。

そこで、ハイオレインのベニバナ油及びヒマワリ油を屋外に出して、寒い夜の中放置してみた。
高オレイン油と高リノール油を比較

右に見えるオリーブオイルは白く固まっているが、ベニバナ油(ハイオレイン)は全く問題ないようである。
高オレイン油と高リノール油を比較

ハイオレインのヒマワリ油、昭和産業のオレインリッチも特に白濁、固化のような現象はみられない。
高オレイン油と高リノール油を比較
オレイン酸含有率80%と表示されているので、オレイン酸の含有率的にはオリーブオイルに引けをとるものではない。むしろ、オリーブオイルよりも高オレイン酸であることを昭和産業のホームページに紹介されていた。エキストラバージンのオリーブオイルがピュアオイルより早く白濁しやすいように、オイル白濁の理由のすべてがオレイン酸に起因するというわけでもなくて、他にも様々な要素があるのだろう。

ちなみに、ハイリノールのヒマワリ油も同じ環境に置いたが、心なしか濁っているように見えなくもないけど、目立った変化はなかった。
高オレイン油と高リノール油を比較

外に放置するとか、回りくどいことをやっているような気がしたので、手っ取り早く冷凍庫に入れて確認してみることにした。
以下は半日冷凍庫に入れて取りだしたところである。

高オレイン油と高リノール油を比較
おおぉ!ハイオレインのヒマワリ油は白濁し固まっているではありませんか。

ハイリノールのヒマワリ油は透明な液状のままである。
高オレイン油と高リノール油を比較

というわけで、ハイオレインかハイリノールかわからないヒマワリ油やベニバナ油があるとき、冷凍庫に入れて白くなったものは、ハイオレインの可能性が高いということが言えるかもしれない。逆に透明だったからと言って、画材に用いれるほどリノール酸含有量が高いという判断をできるわけではないが。。。まぁ、試塗するのが一番いいとは思うが、いや、どっちにしろ画材店で売っている油を使うのが一番だが。でも、ちょっと気になるので、次は食用サフラワー(高オレイン)と画材用サフラワー(高リノール)で比較してみたいと思う。

| 絵画材料 | 12:44 AM | comments (0) | trackback (0) |
寒波が凄いので油を外に置いてみた
冬になると室内でもオリーブオイルが固まっていることがあるんですが、試しにいろんなオイルを一晩外に置いてみました。

寒波が凄いので油を外に置いてみた

撮影時の温度計の表示は2~3℃ぐらいでしたが、直前の数時間は余裕で氷点下だったと思います。

エキストラヴァージン・オリーブオイル

すっかり固まって不透明色になっております。

ピュア・オリーブオイル

エキストラヴァージンが茶色いけど、ピュアオイルは白く固まってますね。

味の素の亜麻仁油

瓶の外側はびっしり氷がついているが中の油は特に変化無し。

紅花食品の圧搾未精製亜麻仁油

特に変った様子なし。

スタンドオイル

普段から粘度が高いけど、どうもさらに高粘度になっていような気がする。気のせいかも。
いずれにしても、それほど大きな変化ではない。

ウォルナットオイル

ちょっと白濁しておりますが液状です。

で、まとめですが、理屈としてはオレイン酸主体の油が寒さで固まるという話なので、画材用のオイルはリノール酸またはリノレン酸主体であるから、オリーブオイルみたいには固まらないということです。

ふと、思ったのですが、これを利用してハイリノールとハイオレインの油を判別することができないだろうか、ちょっと試してみたいと思います。

| 絵画材料 | 10:53 AM | comments (0) | trackback (0) |

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