フジミ模型「薬師寺東塔1/100」制作記 1
先週、興福寺五重塔(フジミ模型)を組み立てましたが、次は薬師寺東塔(フジミ模型)に挑もうと思います。

興福寺五重塔について書いたときは、今後も無塗装で組み立ててゆく方針と述べましたが、しばらく眺めていると、やはりプラスチック感が強くて、安っぽく見えてしまうということもあって、今回は塗装を試してみようと思います。いかに短い手数で、それなりのかっこよさに仕上げられるか、というノウハウも確立したいところです。何しろ他にも組み立てたいものが積んであるので。そして、途中で放棄してしまわない為にも、短手数という要素は重要です。

まずは、瓦屋根ですが、こちらはたまたま手元にタミヤの缶スプレーのガンシップグレーがあったので、これを吹いてみたら、瓦のベース色としてとてもよさげな感じなりました。
薬師寺東塔(フジミ模型)

その上に、シルバーの缶スプレーをさっと軽く吹きかけました。
薬師寺東塔(フジミ模型)
缶スプレーは最初に吹くとき、ダマになって出てくることがあり、普通はちょっと出してみて、霧状になってから吹きかけるのが正しい手順でありますが、しかし、あえてダマも吹き付けてしまうと、瓦っぽくなるのでは、ということでそのようにしております。あとは均一に塗ろうとせずに、多少のムラを発生させてやるという具合です。ものすごく短時間で終わりましたが、しかし、ぱっと見た感じとても良さげです。

そして朱壁の色。成形色は劣化色を意識しいると思われますが、この色自体は問題ありませんが、やはりプラスチック感があります。
薬師寺東塔(フジミ模型)
できればちょっと朱色に近づけて、当時色にしてみたいような気もしておりまして。

というわけで、30分ほど車を走らせ、クレオスのモンザレッドを買ってきました。商品棚にあったものの中では、朱壁の色としてちょうど良いのではないかという判断で。
薬師寺東塔(フジミ模型)
この赤ならば、塗装時の朱壁の色に近いのではないでしょうか(薬師寺の塔がどうだったかまではチェックはしておりませんが)。

そう思ったのですが、どうも先ほどの瓦屋根の色と合わないような気がしたので、ちょっと風化色っぽくしてみることにします。具体的には屋根にも使用したシルバーとガンシップグレーの両方をちょっとづつ吹きかけ、そして半光沢のトップコートを吹いた、というところです。
薬師寺東塔(フジミ模型)

漆喰壁のパーツは成形色は白となっていて、そのままでも色的にはおかしくないのですが、漆喰の質感に近づけたいということで、つや消しホワイトをスプレーしてみました。が、あまり変わりません。というわけで、こちらもシルバーとガンシップグレーをちょっと吹きかけてみることに。
薬師寺東塔(フジミ模型)
ダマを吹きかけしまったあと、焦ってつや消しホワイトを再び吹くなどしているうちに、なんとなく漆喰っぽくなってきたような気がします。

朱壁と漆喰の彩りは↓このような感じになっております。
薬師寺東塔(フジミ模型)

ここからはひたすら組み立てであります。ゲートの切り離しあとなど、多少、色を筆で塗りたしたくなるとは思いますが、その辺は極力省いてゆきたいと思っています。それにしても、組み立てるのは楽しい。そして仏塔の勉強にもなる(主に外観ですが)。ちなみに薬師寺についてですが、3年ほど前、薬師寺を訪れた時は東塔は修復中の為に見ることができなかったので、実物は見たことはありません。

| 史跡・古墳・名所等 | 11:38 PM | comments (0) | trackback (0) |
フジミ模型「1/100 興福寺五重の塔」完成
フジミ模型「1/100 興福寺五重の塔」、土日を使ってささっと組み上げました。
興福寺五重塔
1/100ってやはりデカいですな。下から見上げてみると、現物を初めて見たときの感動が甦ってきます(というほどではないですが)。

西洋美術も日本の美術も満遍なく関心を持つべきではないかと反省しつつ、特に最近は仏教美術についてせっせとインプット行為に明け暮れているのですが、最近のマイブームは建築模型作りであり、模型を作ってみると、必然的にあちこち細かいところを見ながら組み立てるということもあって、観察という行為にはなかなかいい効果があるように思います。説明書見てるだけも面白いです。
興福寺五重塔

内部の柱などはもちろん無くて、肘木その他のパーツも、もっと構造物の内部まで通っているはずなので、構造の把握の勉強とまでいきませんから、飽くまで外部から見た形状の把握となりますが、これを経たあとに図書なのでさらに勉強すれば、理解も深まるであろうかと。
興福寺五重塔
現物の興福寺五重塔はその大きさの迫力も凄いですが、五重塔の軒を支える構造の複雑さが、初見のときは集合体的な恐怖感さえ感じたものですが、こうやって五重層の軒の組み物をじっくり見たあとだと、今度実物を目にしたときは、けっこう頭の中で整理されて、冷静に鑑賞できるのではなかろうか、と期待しております。

建物シリーズの他作品も徐々に作っていきたいところですが、基本的に塗装などはやらないという方針にしました。短時間で知識をインプットしたいというのが目的ですので、当初の目的を忘れてしまってはなりません。それと教材として使用した際に、生徒がべたべた触っても気にならないように、という理由もあり、これもまた大事であります。というわけで、無塗装、素組みで次々作ってゆくわけですが、フジミ模型の建物シリーズはその辺はよく出来ていて、本作品も朱壁と漆喰は元々成形色で色分けされており、そのまま組み立てるだけで、けっこう見栄えがする完成例となります。今回はパーツが非常に多かったので、土日をまるまる費やしてしまいました。そして気がついたのですが、まず自分が使っているニッパーの性能がきっと悪いということ。ゲートから切り離した跡が白くなってしまう現象の処理に手間取るってしまうわけですが、その処理を減らしたい。というか、後半は放置して組み上げましたが。そしてピンセットが重要であるということ、それから流し込みタイプの接着剤を試してみたいということ。写真を見てもわかる通り、接着剤がはみ出したところが汚くなったりとか、いろいろ課題はありますので。これらのツールが揃えば、高速で組み立てられるような気がします。良いニッパーでスパパっとゲートから切り離して、スパパっと鮮やかに接着して、しかも誰かちょっと触ったくらいでは外れない感じの耐久性があればいいかなと。

なお、事前は私は五重塔のはなし編集委員会(著)『五重塔のはなし』という本を読んでおきました。後半のQ&Aは非常に易しく書かれているのと比較して、前半の説明部分の内容が難しく、編集上の問題があるかとは思いましたが(しかも内容が前半と後半でかなり被っている)、構造や形状についての本としてまぁ、よかったかな、とは思います。他にも図書を探してみようと思いますが、読めば読むほど、フジミ模型はなかなか良い仕事しているなと感心しております。

| 史跡・古墳・名所等 | 09:22 PM | comments (0) | trackback (0) |

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