各溶剤でダンマル樹脂をどれくらい速く溶解できるかテスト。
各溶剤でダンマル樹脂をどれくらい速く溶解できるかテスト。

特定の樹脂を溶かすスピードで、溶剤の溶解力を語れるわけではないと思うので、飽くまでダンマルを溶かす速度に注目したテストである。それに、室温などの条件にも左右されると思うので、ある程度の目安になるかどうかぐらいの感じと思ってほしい。また、ニスとして使用した結果どうであるかなども、また別の話である。

すべて、ダンマル樹脂20gに溶剤40gで試験。単に、小瓶に樹脂を入れ、溶剤を注いでフタを閉めただけで、瓶底に樹脂が溜まるので、技法書などに紹介されているような、袋に入れて吊す方法と比べると、余計に時間がかかっていると思われる。

ダンマル樹脂溶解テスト

■H社 ペトロール
■K社 ペトロール
上記2種は、6時間で半分ほど溶解、12時間で完全に溶解。酷い濁り、ゴミ以外の残留物ほとんどなし。今回の試験で最速の溶解。

■ルフラン クイックドライング・ペトロール
樹脂と溶剤を混ぜた直後に激しく白濁し、以後もなかなか溶解しない。ただし数日後には8割方溶けて、白濁もある程度おさまった。溶解に時間がかかり、白濁し、溶けきらないことがあるという、技法書のペトロール記述でよくみられる通りの結果。

■H社 オドレスペトロール
■W&N サンソダー(微臭ペトロール)
上記2種は、樹脂の表面を白濁させるだけで、溶解する気配無し。

■K社 アルファピネン
■H社 テレピン
■W&N イングリッシュ・ディスティルド・テレピン
■マイメリ テレピン
■マイメリ レクティファイド・テレピン
上記5種は厳密には溶解する速度に若干の差があったが、36時間後にはどれも同じようにほとんど溶解しており、特記するほどの違いは見られなかった。

■ルフラン スパイク・ラベンダーオイル
非常にゆっくり溶解する。10日経ってもまだ溶解の途中と思われる状態が続く。白濁は全くない。ゆっくりではあるが、マニラコーパルも溶かしたりするほどなので、溶解力が劣るというとか、そういう問題ではないと思う。

■無水エタノール
樹脂が白くなっただけで、全く溶解せず。

総括
ペトロールは、蒸留の温度など、製造方法によって性質がかなり異なるそうであるが、確かにものによって、非常に速く溶かすものと、なかなか溶けないものがあった。また、無臭、低臭ペトロールはダンマル樹脂を溶かすような能力は全くと言っていいほどなかった。後日、加熱してみたが、温めているうちは溶けるものの、冷めるとすぐに沈殿してしまった。テレピンもものによって、性質が異なったりするそうであるが、国内外の数種をピックアップしてみても、そんなに極端な差はなかった。アルファピネンとテレピンも、べつに問題にするほどの差はなかった。


| 絵画材料 | 12:38 PM | comments (2) | trackback (0) |
土製顔料を焼いて赤くしてみる。
オーカーやシエナなどの土製顔料を焼成すると赤味の顔料(バーントシエナ等)になるが、実際に自分の目でその変化を確認したわけではなかったので、この際と思い、なんとなくやってみる。焼き色の試験方法は、Anne Wall Tomas, COLORS FROM THE EARTH等にも載っているが、なんか面倒なので、100均で買ったフライパンに顔料を置いて、カセットコンロであぶってみた。

下はシエナ土を焼いたもの。
途中、真っ黒になったので、火が強すぎたかと思って焦ったが、冷めると非常に綺麗な赤色に。
シエナ土焼成

こちらはオーカー。
オーカー焼成

こうやって、自分でやってみると、赤い土製顔料に愛着が湧いてくるというか、なんかいつもより非常に美しく見えるのだが、気のせいか。

※顔料によっては、熱すると毒ガスを発生するものもあるので、不用意にマネしないでください。



| 絵画材料 | 01:09 PM | comments (0) | trackback (0) |
石膏と白亜にレモン汁をかけてみる実験。
手持ちの顔料が石膏(硫酸カルシウム)なのか白亜(炭酸カルシウム)なのか不明になったとき、どちらか判別する方法として、希塩酸をかけるという手があるけれど(炭酸カルシウムだと二酸化炭素の気泡が発生して、泡ブクが見られる)、希塩酸を所持している人は少ないであろうから、レモン汁で代用できないか、という目的で、ちょっとばかり実験してみる。

100円ショップで買ってきた磁器?の皿に各顔料をのせ、スーパーで購入したポッカのレモン汁(約150円)をかけてみる。
結果は画像の通り。


●H社の下地用ムードン(画像右上)、激しく大きな泡が立つ。
●同仕上げ用ムードン(画像右下)は、普通に泡立つ
●沈降性炭酸カルシウム(下段中央)、細かい泡が立つ。
●左上はボローニャ石膏(二水石膏)、泡立つ様子はない。

沈降性炭酸カルシウムは、細かい泡が出るけど、すぐに消えるので、しっかり観察しないと見落とす可能性もある。それと、実はボローニャ石膏も良く見ると泡?と思われるものがあるような気もするが、天然品であるゆえの不純物か、あるいは右の炭酸カルシウムが混ざってしまったか。いずれにせよ、天然の白亜と、石膏を比較する分には、かなりはっきりと判別できる。



| 絵画材料 | 07:27 PM | comments (0) | trackback (0) |

↑上に戻る↑ <<新しい記事 : 
累計
本日、昨日 集計結果
  
■NEW ENTRIES■
■RECENT COMMENTS■
■RECENT TRACKBACK■
  • 昔のキャンバスの木枠は意外とシンプルだったのか?
■CATEGORIES■
■ARCHIVES■
■PROFILE■
■POWERED BY■
BLOGN(ぶろぐん)
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■OTHER■
■LOGIN■
現在のモード: ゲストモード
USER ID:
PASSWORD: